ファン付きチェアにヒーターまで内蔵した理由|THORRアドバンストチェア開発秘話
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THORR開発スタッフです。今日は、新商品 THORR ADVANCED CHAIR HOT&COOL(AC001) の話をします。背もたれに冷却ファン、腰と座面にUSBヒーターを内蔵したアウトドアチェアです。

「椅子にファンとヒーター?」と思われるかもしれません。私も最初はそう思いました。でも、作ってみたら手放せなくなった。その経緯を書きます。

きっかけは、荷物が多すぎたこと

忘れられないのは、ある年の8月のキャンプです。車に積んだのは、テント、テーブル、冷蔵庫、そして首振り扇風機。設営を終えて椅子に座った瞬間、背もたれと背中の間に熱がこもって、シャツが張り付きました。扇風機を自分に向けても、風は前からしか来ない。背中の汗は引かないままです。そのとき思い出したのが、冬のキャンプで同じ椅子に電気毛布を巻き、ズレ落ちるたびに直していたことでした。冷やしたいのも温めたいのも、いつも「椅子と体の間」。なのに道具は全部、椅子の外側にある。

夏は扇風機、冬は電気毛布。キャンプの荷物は季節ごとに変わり、チェアはずっと同じ。それなら、椅子の側に季節対応を持たせればいい。探しても納得できるものがなかったので、作ることにしました。

無いなら作ろう。

THORRの合言葉です。

ファンを背中に。最初の壁は「風が抜けない」こと

ファンを椅子に付けること自体は難しくありません。難しいのは、座ったときに風がちゃんと背中に届くかどうかです。

背もたれに体が密着すると、ファンの風は行き場を失います。そこで背もたれをメッシュ窓にして、ファンと背中の間に空気の通り道を作りました。ファンは2基。1基だと風が偏るので、左右に配置して背中全体に当たるようにしています。

開発期間は約1年半。試作は5回、モーターとバッテリーをつないでは回す試運転は、数えるのをやめるほど繰り返しました。最初の試作は、ファンを腰の高さに1基。風はたしかに出ているのに、座ると服の中で行き場を失い、ほとんど涼しくない。失敗でした。位置を上げ、2基に分け、メッシュの張りを変え、と試すうちにたどり着いたのが「背中の上部」です。首すじから背中の上部にかけては体温調節に関わる神経が通っているといわれ、ここに風が当たったときの体感は、腰とはまるで違いました。背もたれに密着して熱がこもりやすく、汗ムレやベタつきが一番気になる場所でもあります。真夏の炎天下に持ち出したフィールドテストは計4回。風の当たる高さと角度を、その都度直していきました。

約1年半
開発期間
5回
試作
数十回
試運転
4回
フィールドテスト

風量は高・中・低の3段階。強すぎると音が気になり、弱すぎると意味がない。手元のコントローラーで切り替えられるようにして、周りの状況に合わせて調整できる形に落ち着きました。

ヒーターは「腰と座面」に絞った

冬に椅子で冷えるのは、背中より腰と座面です。地面に近い座面から冷気が伝わり、腰まわりが冷える。だから背もたれ全体を温めるのではなく、腰と座面にUSBヒーターを内蔵しました。

仕様はあえてシンプルにしています。モバイルバッテリーにケーブルを挿せばON、抜けばOFF。スイッチも温度設定もありません。暗い焚き火の前で細かい操作をしたくない、というのが理由です。

実は初期の試作では、背もたれ全体にヒーターを入れていました。結果は失敗です。背中は温かいのに、地面からの冷気で腰から下は冷えたまま。温める場所を腰と座面に絞って作り直すと、同じ電力でも体の温まり方がまるで違いました。腰と座面が温かいと、体全体がすぐに温まり、冷えにくい。冬のフィールドテストで繰り返し確かめた体感です。スイッチや温度調節の基板を省いたのには、もうひとつ理由があります。部品を減らせば、壊れる場所も減る。外で使い込む道具に必要なのは、機能の数より壊れにくさだと考えました。

電源は「持っているもの」で動くように

専用バッテリーにすると、それを忘れた時点で椅子はただの椅子になります。だからDC5VのUSB給電にして、市販のPSEマーク付きモバイルバッテリーで動くようにしました。スマホを充電しているあのバッテリーで、ファンもヒーターも動きます。

10,000mAhのバッテリーで、ファンなら約12〜18時間、ヒーターなら約4〜7時間。日中のキャンプならファンは1本で持ち、冬の夜も焚き火の時間はカバーできます。バッテリーは座面下のポケットに収まり、ケーブルは固定ベルトでまとまります。地面に置いて踏む、という失敗を減らしたかった。

使わない季節は、普通の椅子に戻る

春と秋は、ファンもヒーターもいりません。そのときに電装部が邪魔になる椅子にはしたくなかった。

ファンユニットはマジックテープで外せます。外した窓は付属の目隠しカバーで塞げるので、見た目は通常のキャンプチェアです。外したファンは単体で拭けるので、手入れも楽になりました。

フレーム、生地、アームレスト

フレームはアルミ合金で、本体約5.2kg、耐荷重約100kg。電装を積んだ分、他の部分で重さを削っています。生地は600Dの厚手素材。摩耗や引っかきに強く、外で使い込む前提の選択です。

アームレストは天然木にしました。金属や樹脂と比べてコストはかかりますが、手を置いたときの感触が違います。長時間座る椅子なので、ここは譲りませんでした。

折りたたみは、背面の固定ハンドルがロックと持ち手を兼ねる構造です。ワンアクションで畳んで、収納バッグへ。収納時は約W30×H110cm。車のトランクに立てて積めるサイズです。

ADVANCED CHAIR HOT&COOL(AC001)主な仕様
冷却ファン DC5V×2基(着脱式)/風量3段階(高・中・低)/目隠しカバー付属
ヒーター 腰・座面 生地内蔵型(USB接続でON/取り外しでOFF)
電源 USB給電(DC5V)※モバイルバッテリー別売・PSEマーク付き市販品対応
サイズ 使用時 約W60×D70×H100cm/収納時 約W30×H110cm(Φ25cm)
重量/耐荷重 約5.2kg/約100kg
素材 アルミ合金フレーム/600D生地/天然木アームレスト
保証 メーカー1年保証(Instagram+LINEフォローで+6か月延長)

遊びで使い込んで、備えになる

THORRのタグラインは「本気の遊びが最強の備えだ」です。停電したとき、避難先で長時間待つとき、AC電源がなくても動く椅子は役に立ちます。でも、防災グッズとして押し入れにしまい込まれたものは、いざというときに使い方が分からない。

だから、普段のキャンプで、ベランダで、庭で使ってほしい。夏に風を感じ、冬に腰が温まる。その使い慣れた椅子が、そのまま備えになります。THORRではこれを「土間」の考え方と呼んでいます。遊び道具と備えの道具が、同じ場所に並んでいる状態です。

撮影は富士山近辺で

商品写真とPVは河口湖やふもとっぱらで撮影しました。夏の日差しの中でファンを回すカットと、夜の焚き火の前でヒーターを使うカット。同じ椅子で、まったく違う季節の顔を撮る。THORRの製品ページで、その両方を見てもらえます。

印象に残っているのは、夏カットの撮影中、休憩のたびにスタッフがこの椅子を取り合っていたことです。炎天下で機材を運んだあと、ファンの風で背中の汗が引いていく。1年半かけて作った側としては、これ以上ない手応えでした。夜の焚き火カットでは、ヒーターの入った椅子から誰も立ち上がらなくなり、撮影が少し押しました。

最後に

ADVANCED CHAIR HOT&COOL は、扇風機と電気毛布を持ち歩くのをやめるための椅子です。夏キャンプ、冬キャンプ、釣り、車中泊、スポーツ観戦、サウナ後、そして停電時。季節と場所を選ばず、一年中出番があります。

開発には約1年半かかりました。試作5回、試運転数十回、フィールドテスト4回。正直、途中で「普通の椅子でいいんじゃないか」と弱気になった日もあります。それでも、完成した椅子を発表できる今は、あの8月の蒸れた背中から始めてよかったと思っています。

東大阪で企画し、「無いなら作ろう」で形にしました。メーカー1年保証、InstagramとLINEのフォローで6か月延長。まずは製品ページで詳細を見てください。

メーカー1年保証/Instagram+LINEフォローで+6か月延長

THORR®|アウトドア × 防災ギアブランド
本気の遊びが最強の備えだ
企画・運営:DoMake合同会社(大阪府東大阪市)


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